9月にドイツで行われる世界的スポーツクライミングイベント「ADIDAS ROCKSTARS」

その日本代表を懸けた戦いが15日から2日間に渡り、都内で行われた。男子はTEAM auの楢﨑智亜が、女子は同じくTEAM auの野口啓代が優勝し、本戦への切符を手にした。TEAM au・野中生萌は2位、藤井快は3位だった。

上位2人による一騎打ち。同時に同じ課題登り、先にゴールした方が優勝となるスーパーファイナル。

男子は、TEAM au・楢﨑智亜と山内誠が勝ち上がった。1回目のトライ。楢﨑は「横を見たら相手が同じくらいに来ていて焦った。ポジションをしっかり決める前に手を出してしまった」と失敗。対する山内も同じホールドで落下した。

それでも2回目は、落ち着いて挑めたと楢﨑。1回目にミスが出たホールドをしっかり掴み、見事完登した。

試合後、楢﨑は「スピード勝負で負けたくないというのがあったので、自信になった」とファイナルを振り返った。

そして女子は、前評判通り共にTEAM auの野口啓代と野中生萌がファイナルに駒を進めた。初の“直接対決”とあって絶対勝ちたかったと野口。

1回目のトライ。2人が鮮やかにシンクロし、会場を沸かせた。スタートホールドに足をかけると、まるで声を掛け合っているかのように同時に次のホールドに飛び移る。しかし、互いにホールドを掴めず2人とも落下。その瞬間、両者見つめ合い笑顔を見せた。

その後は「笑ってしまって力が入らなかった」と話した2人だったが、3回目のトライで野口が完登。日本女子の頂上決戦を制した。

野口は「ドイツの本戦でもう一度、生萌とスーパーファイナルを戦いたい」と笑顔で話した。

 

■壁を3Dモデル化「オンライン・オブザベーション」

クライミングをさらに身近なものにすべく、今大会、新たな取り組みが行われていた。

それは「オンライン・オブザベーション」というもの。課題をあらゆる角度から撮影し、3Dモデル化。オンライン・オブザベーションは3D化した課題をインターネットを通して上下左右、様々な角度から見ることが出来る。

今大会でこのシステムを用いたのは、男女それぞれ決勝とスーパーファイナルの計8課題。まずはその動画を見てもらいたい。

 

男子スーパーファイナル 楢﨑智亜
女子決勝 野口啓代

このようにオンライン・オブザベーションは、課題を3D化することで、映像だけではわからない部分を見ることが出来る。さらにタッチ操作で、見たいアングルを自由に決めることが可能なため、壁の角度やホールドの形など現地に足を運ばなくても、PC・スマホ上で手軽に知ることが出来るのだ。

オンライン・オブザベーションについて楢﨑は「下から見るには限界があるので、いろんな角度から見ることが出来るというのは、すごく便利で参考になる。」野口も「観戦している人にとって、わかりやすい」と興味を抱いていた。

このシステムを手がけたアーケ社・筒井氏はオンライン・オブザベーションの将来についてこう話す。「例えば、プライベートで「クライミングをやりたいけど今日はどこのジムに行こう」というときに最寄りのジムにはどんな課題があるのかスマホで調べれば課題をすぐに知ることが出来るようになる。また、テレビ中継などの解説にも適している。W杯などで、課題を3Dモデル化し、様々なアングルを見せながら解説することで幅も広がり、クライミング初心者でも理解出来るようなテレビ中継が可能になる。」

東京五輪の追加種目となり、一気に注目度が増したスポーツクライミング。この先「オンライン・オブザベーション」の開発が進めば、クライミングがさらに身近なものになっていくに違いない。

 

「Online Observation」その他の動画はこちら

http://onlineobservation.com/ARST2017

 

「ADIDAS ROCKSTARS TOKYO 2017」結果

男子 1位 楢﨑智亜(TEAM au)2位 山内誠 3位 藤井快(TEAM au)

女子 1位 野口啓代(TEAM au)2位 野中生萌(TEAM au)3位 青栁 未愛