第75回春季東北地区高校野球福島県大会(県高校野球連盟主催)は21日、会津若松市のあいづ球場で決勝があり、聖光学院が日大東北を10―3で破り、3年連続13回目の優勝を果たした。3位決定戦は学法石川が郡山を9―5で破った。 ◎&hellip…

 第75回春季東北地区高校野球福島県大会(県高校野球連盟主催)は21日、会津若松市のあいづ球場で決勝があり、聖光学院が日大東北を10―3で破り、3年連続13回目の優勝を果たした。3位決定戦は学法石川が郡山を9―5で破った。

 ◎…聖光学院が相手の倍近い21安打を放って打ち勝った。一回に三好の適時打で先制すると、三回には三好、松尾、星名の適時打など打者一巡の猛攻で4点を追加し、流れをつかんだ。日大東北は六回以降8安打を集め反撃に転じたが、序盤の失点が痛かった。

 ◎…長打力の差が明暗を分けた。学法石川は2点を追う二回、伊藤、内田の本塁打などで5点を挙げ、逆転。六回には1死二、三塁から内田の適時二塁打で2点を追加。郡山は一回に藤田の適時打などで2点を先制したが、長打は1本にとどまり反撃機を逸した。

■プロ入りの先輩に学び、投手陣を引っ張る 聖光学院・杉山由朗捕手

 七回表、1点を返され、なおも2死一、二塁。聖光学院の捕手杉山由朗(3年)は「流れは向こうに行きかけている。ここで抑える」と自分に言い聞かせた。

 9球目。内角を狙われていると感じ、外角の直球を要求。マウンドの小室朱生(3年)は、外角に127キロの直球を投げ込み、見逃し三振に切り取った。

 昨秋の東北大会準決勝でもマスクをかぶっていた杉山。「リードが一辺倒になりがちだった」といい、3本塁打を許し、今春の選抜大会出場を逃した。

 そのため冬の間、昨年の正捕手、山浅龍之介(現・中日)に配球や打者の分析方法を聞き、投手陣と話し合いを重ねて、持ち味を引き出すことに努めた。

 そして今大会、杉山は全4試合で捕手として先発出場。4人の投手をリードし、失点4、許した適時打はわずか2本だった。

 「投手陣と切磋琢磨(せっさたくま)した成果を、大会を通じて出すことができた」。そう話す杉山は「東北大会の相手は強い相手ばかり。投手陣とどこまで通用するか試したい」と次を見据える。

 斎藤智也監督は「課題はまだあるが、リードと分析力が上がってきた」とたたえた。(滝口信之)