6月21日、5度のスーパーボウル制覇、4度のMVP受賞のニューイングランド・ペイトリオッツQBトム・ブレイディが来日。有明コロシアムで高校、大学のQBを対象にしたクリニックを開催した。当日は強雨で新幹線に遅れが出るなど生憎の悪天候だったが、スーパースターの来日とあって約3800名の見学者を集める盛況ぶりだった。

観客のMVPコールと共にブレイディが入場しクリニックがスタート。NFLの大スターを目の前にして会場全体が異様な盛り上がりを見せた。ブレイディは日本の若いQB達に、基本であるドロップバックとスローイングの基本テクニックを伝授。ブレイディ自らのデモンストレーションも交えた熱の入れようだった。滑らかなドロップバック、スムーズかつ力強いパスが放たれる度に見学者たちのどよめきと大きな歓声が起こった。

「ブレイディのパスは放たれてから手元に届くまでのスピードが今まで経験したことがないくらい速かった。本当に貴重な経験をさせていただきました。一生の自慢になります」。

ブレイディのパスを受けた法政大WR高津佐隼矢(3年)は、超一流のパスの違いを体感。クリニック後にグローブにサインまでもらい興奮気味だった。

「ブレイディのパスは手を出せば誰の手にでも入るぐらい、ピンポイントにコントロールさせれて飛んでくる。ペイトリオッツは実績のないレシーバーでもいきなり活躍している印象があるが、ブレイディのパスの精確さがあるからこそ実現できることなんだと分かりました」と言うのは、2015年日本代表のIBMビッグブルーWR栗原嵩だ。

クリニック後はボールを籠に投げ入れるゲームで小学生と対決。小学生が見事にカゴの中に入れると、ブレイディははるか遠く、フィールドの対角線上に設置されたカゴへの投入にチャレンジ。2投を失敗したが、最後の3投目を見事に投げ入れ、幾度となく第4Qの逆転を演じてきた勝負強さを日本のファンに見せつけた。

「君たちは既にレベルが高く、誰もが状況を一変させる力を持っている。そしてここからさらに上のレベルに行くにはハードワークを怠らないこと、献身的に取り組むこと、腹をくくり専念することだ。そして、何より重要なのは自分の夢を否定するような周囲の声に耳を傾けないこと。自分でやろうと思ったことはなんでもできる。私は39歳になった今でも夢を叶えようとしている。私が君たちの年のころは周りに散々夢を叶えられないと言われた。しかし、私は自分を信じていたし、サポートしてくれた家族、友達、チームメイトがいたからそんなことは耳に入れなかった。だからみんなにも自分の大好きなことをやり続け、自分の夢に向かって全身全霊で向かって行ってほしい」

最後のハドルでブレイディは、周囲が実現不可能と思うことを次々と実現してきた自身のフットボール人生を例に上げ、クリニックに参加した日本のフットボール選手たちに熱いメッセージを贈った。

NFL史上最高のQBであるブレイディの来日は日本のフットボール選手、フットボールファンにとって思い出以上のものを残してくれた。2017年シーズンのブレイディとペイトリオッツの活躍が今から待ち遠しい。