WBCの侍ジャパン入りが内定している巨人大城卓三捕手(29)が、ミリ単位のせめぎ合いを覚悟した。

25日、川崎市・ジャイアンツ球場で自主トレを行った。3月に開催される本大会メンバーにサプライズ選出される見込み。捕手だけでなく、左の代打でも計算されている。昨年12月は、同僚菅野ら投手3人との“バッテリー合宿”に参加した成果を、プロでは初めての国際大会で発揮する。

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大城はあえて1ミリをさらに刻んだ。「0・1ミリで頑張ります」。選出が内定しているWBCは、プロでは初の国際舞台。直近では昨年12月のサッカーW杯で、日本代表が「三笘の1ミリ」で2大会連続16強入りを演出した。異種競技とはいえ、その戦いに興奮した大城が「タクミの1ミリ」と話を振られ、思わず口にしたミリ単位のせめぎ合いで勝敗を分ける戦いが、迫ってきた。

サプライズ選出は、周囲同様に大城自身も驚いた。「最初はビックリしました。でもやっぱ、言われたからにはやるしかない、そういう気持ちです」とすぐに腹をくくった。オリックス森の代役選出のイメージが色濃いが、打力は内定しているソフトバンク甲斐、ヤクルト中村の3捕手の中で、昨季1番の成績を残している。「(攻守)両方でやっぱり得られることがあると思う」。左の代打だけで終わらない準備は、図らずもやっていた。

昨年12月、菅野のハワイ自主トレに同行した。山崎伊、堀田の投手3人捕手1人という異色の“バッテリー合宿”は、刺激の連続だった。「寝食も共にしたので、自分もああいうオフ期間の出来事は初めてだった」。食事中、目の前で菅野が山崎伊にナイフとフォークの持ち方が逆であることを指摘。「(菅野は)ご飯の時、周りを見ていないようで見ている。自分は大丈夫でしたけど(笑い)。野球以外でも超一流なんだなと」。前回17年大会で日本のエースだった菅野との時間が、ここで生きてくる。

大谷、ダルビッシュらと組む可能性もある。そのために捕手争い1番手に成り上がるしかない。「楽しみです、そこは。どういった球を投げるんだろうと。いろんなことを吸収していきたい」。緻密さとアバウトさが同居する大城には、伸びしろしかない。【栗田成芳】