2023年シーズンがもう始まります!

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・29歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はブリスベンにいます。

欧州ツアー(DPワールドツアー)は前週のシーズン最終戦「DPワールド ツアー選手権 ドバイ」の翌週に、新しい2023年シーズンが始まります。しかも“開幕戦”は2大会! 南アフリカでの「ヨハネスブルグオープン」、そして僕や金谷拓実選手、久常涼選手が出場する「フォーティネット オーストラリアPGA選手権」で一年が始まります。

さて、僕は昨シーズンを10月末の「ポルトガルマスターズ」で終えました。今季もシード選手としてプレーできることになりましたが、実は今大会への出場は迷っていたんです。ポルトガルの最終日に「78」をたたいて、テンションもダダ下がり…。今年残りの試合に出場するのか、日本に戻って休むのかを考える時間を作ることにしました。

オーストラリアのブリスベンに来ました

今月初旬、出向いたのは東南アジアのタイ。しかもバンコクで飛行機を乗り継ぎ、1時間ほどかかる片田舎でリフレッシュすることにしたのです。知人と“超”がつくほどのローカルエリアで数日間、お世話になりました。

タイでは日本とは違う風習があります。その土地の僧侶がなくなると、盛大な“行事”が取り計らわれます。地域の人々が自ら料理を振る舞い、みんなで食べて喪に服します。お坊さんと民衆との関係性が密接だからこそのしきたり。雰囲気は出店が並ぶお祭りのようです。

今回の滞在中、僕もたまたまその空気に触れることができました。もちろん初めての経験。ただ、地域の方とふれあっているうちに…、なんだかこちらも何かできることはないかと思い始めたのでした。

タイで日本のカレーを振る舞うと大行列が…

「そうだ。カレーを作ろう」

えー、多くの方には理解できないかもしれません。ですが、ご馳走になっているだけでは申し訳ない気がしてきて、僕も何か振る舞いたい、と。日本のカレールーは海外で販売されていることも多く、以前、別の土地で作ってみたら現地の方にも好評だったのを思い出しました。

車を走らせて向かった田舎のスーパーにもありました。バーモントカレーのルー(辛口)。チキンカレーを作るべく、とりあえず鶏肉5kg、たまねぎ8kgを購入。あとはニンジン、ジャガイモを入れるシンプルな日本風のカレーです。売り場で固形のルーを買い占め、レシピ通りに4リットルほど水が入る鍋いっぱいにできたのは、ざっと100人前! しかし、タイもカレーが有名ですが、市街地ではないので日本のカレーを食べたことがない方もたくさんいらっしゃいます。果たして、お口に合うのか…と心配でした。

ところが、僕の前にはまさかの大行列! 大好評のあまり、あっという間に鍋はすっからかんになり、もう一度、同じ分量を作ることになったのです。「買い過ぎか」と思っていた材料がなくなり、再度片道30分かけて別のスーパーへ行き、カレールーを買い漁りました。

野菜を炒め、大鍋をかき回していると、体はもう汗だく。まさに無我夢中でカレー作りに没頭していた時、ふと思ったのです。

オーストラリアの歴史的なコースのひとつ。ロイヤルクイーンズランドGC

「…ああ、ゴルフしたい。めちゃくちゃしたい」

そんなこんなで今回、オーストラリアにやってきたというのが話のオチ。今年もシーズンのオープニングゲームに出ることを決めました。

会場のロイヤルクイーンズランドGCは、1920年にオープンした100年以上の歴史を誇り、そういったゴルフ場も楽しみで南半球にやってきました。バンコクより移動したマレーシア・クアラルンプールからはブリスベンまで直行便が飛んでおり、スムーズにコース入り。

少し下がっていたゴルフへのモチベーションを上げてくれたのは、やっぱり旅でした。長い一年がいよいよ始まります。今季も応援よろしくお願いします。

フェアウェイは広いですが、ハザードは独特