5日、高校野球南北海道大会札幌地区Aブロック代表決定戦、札幌第一8―12札幌創成

 春の全道大会の覇者、札幌第一のエース田中佑弥主将(3年)は、直立不動で勝者の札幌創成の校歌を聞いた。チームメートは泣き崩れていたが、主将の役目は続いていた。

 「おとなしい子が多いなか、良い意味で勝負強く、みんなを鼓舞できる存在」(菊池雄人監督)。だから主将に選んだという。

 部員たちの普段の勉強や授業態度、掃除の甘さは、野球に表れる。菊池監督に「お前がやらなきゃどうする」と言われ続けた。何度、主将「降板」を自ら願い出ようと思ったか。そのたび、同期の部員たちが「お前しかいないよ」と言って支えてくれた。

 春の全道大会。決勝の北照戦では序盤からリードして頂点に立った。夏に向けて、「相手は自分たちに挑んでくる。絶対に気持ちで負けちゃいけない」と言い聞かせてきた。

 この日、チームは一回表に一挙6得点。その裏、田中主将は直球がうわずり、ストライクを取りにいった甘い球を狙われた。与四球3、被安打3で3失点。1人の打者も打ち取れずに降板し、右翼手に回った。

 最後まで「気持ち切らないぞ!」と声を出し続け、主将の役割を果たした。試合後のインタビューに「全力でやれました。後悔はないです」と答えた。「でも、悔しい……」と言ったところで、涙がこぼれた。(石垣明真)