4月9日、東京六大学野球春季リーグの第1週1日目が行われ、第1試合では、慶大が11対4で東大に逆転勝ちし、白星発進を決めた。

リーグ戦初先発となった慶大・橋本達は初回3失点の苦しい立ち上がりとなったが、尻上がりに調子を上げた。

 春本番の陽気に包まれた中で始まった開幕戦。2戦先勝方式で争う勝ち点制が2019年秋季以来5季ぶりに復活し、観客数上限1万5000人で実施された。昨年春秋連覇を果たした王者・慶大は、中継ぎで通算15試合に登板した橋本達弥(4年・長田)がリーグ戦初先発。対する東大は、リーグ戦通算24試合で昨秋に悲願の初勝利を挙げた井澤駿介(4年・札幌南)がマウンドに上った。

 試合は序盤から点を取り合う形となった。1回表、東大は相手エラーから1点を先制すると、4番・梅林浩大(3年・静岡)が詰まりながらも三遊間を破って2点目。さらに併殺崩れの間に3点目を奪った。慶大もすぐさま反撃。1回裏、こちらも相手の守備の乱れから1点を返すと、5番・山本晃大(4年・浦和学院)のタイムリーで1点差。続く2回裏には、2死二塁から2番・宮尾将(4年・慶應)がセンターへ同点タイムリーを放ち、試合を振り出しに戻した。

3対3で迎えた4回表、東大の投手・井澤がレフトへソロアーチ。6回までリードを保ったが…。

試合はこのまま慶大ペースになるかと思われたが、3対3で迎えた4回表、2死走者なしから東大の投手・井澤が「たまたまです」とレフトへ初本塁打を放って勝ち越しに成功。一方の慶大は、3回裏に続き、4回、6回と一死満塁のチャンスを掴みながらも、東大の好守もあって得点を奪えず。6回を終えて、東大が4対3と1点リードして終盤を迎えた。

「初戦の硬さは覚悟していたんですけど、東大さんの粘り強い野球に苦しみました」と慶大・堀井哲也監督。それでもナインたちに焦りはなく、7回裏、2死三塁から2番・宮尾のタイムリー内野安打でしぶとく同点に追い付くと、続く8回裏に無死一、三塁から途中出場の6番・宮崎恭輔(3年・國學久我山)が、2ストライクと追い込まれながらも「とにかくボールに食らい付いて行こうと思った」とレフトスタンドへ自身リーグ戦初打席初安打初本塁打となる勝ち越しの3ラン。さらに1番・萩尾匡也(4年・文徳)のタイムリーや3番・廣瀬隆太(3年・慶應)のソロなどで得点を重ね、一挙7点を奪って試合を決めた。

 逆転勝利を収めた慶大は、先発・橋本達が7回を4安打4失点(自責1)。8回から2番手で登板して2回を無安打無失点に抑えた浮橋幸太(2年・富岡西)がリーグ戦初登板で初勝利。敗れた東大は、先発の井澤が5回0/3を4安打3失点(自責1)も9与四死球で計110球とスタミナを削られ、リリーフ陣が終盤に堪えきれなかった。

苦しんでいた慶大は8回裏、途中出場の宮崎が神宮初打席で勝ち越し3ラン。この回、一挙7点を奪って試合を決めた。

■東京大vs慶應義塾大1回戦
東大 300 100 000=4
慶大 210 000 17X=11
【東】井澤、●松岡由、鈴木健-松岡泰
【慶】橋本達、○浮橋-善波、宮崎
本塁打:東大・井澤(4回ソロ)、慶大・宮崎(8回3ラン)、廣瀬(8回ソロ) 

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「よく言われる初戦の硬さは覚悟していたんですけど、東大さんの粘り強い野球に苦しみました。いい守備もありましたし、井澤くんにも要所を締められた。(先発の橋本達は)井澤くんへのボールは少し高かったですが、初先発の中でよく粘って、よく投げたと思います。(8回の7点は)その前の回に追い付いてというところで、よく繋いでくれた。(勝ち越し本塁打の宮崎は)追い込まれた中でも何とかバットに当ててサードランナーを、と思っていたけど、本当に100点、120点です。レギュラーが活躍すれば安定した戦いができるんでしょうけど、そんな試合ばっかりじゃない。ベンチ入りのメンバー、さらには部員全員が勝つために役割を果たすということがキャプテン、4年生を中心に浸透しているんじゃないかと思います」

◎慶應義塾大・橋本達弥(4年・長田)
「1回1回、1イニング1イニングを大切に投げた。(初回3失点も)やるべきことをやれば点を取ってくれると思って投げていた。この冬から、自分がチームのエースになるんだという思いで、そのために必要なことをやってきた。(初戦の先発マウンドは)やってきたことが少しは報われた。これからも投げろと言われたところでしっかりと投げていきたい」

◎慶應義塾大・宮崎恭輔(3年・國學久我山)
「チームの勝利に貢献できてうれしい。(初打席初本塁打の打席は)とにかくボールに食らい付いていこうと思った。(打ったのは)高めのスライダー。あんまり覚えていないですけど、とにかく打てて良かった。両親に感謝の気持ちを伝えたいです」

◎東京大・井手峻監督
「なかなか難しいですね。(初回3点リードの)ああいう試合はあんまりしたことないですから。(先発の井澤は)力はついてきたけど、マウンドに慣れないのか、ちょっとバランスが良くなかった。ストライクを取るのに苦労していた。守備はなんとか。最初は動きが悪かったですけど、だんだん良くなった。中盤を苦しみながらも切り抜けたことは良かったが、最後は力負けした」

◎東京大・井澤駿介(4年・札幌南)
「調子自体は悪くなかったんですけど、先頭バッターを出塁させてしまったのが反省点。自分のフォームがバラけてしまったところに問題があった。(リーグ戦本塁打は)おそらく真っ直ぐしか来ないだろうと。たまたまです」