抜群の「wFA」を示すヤクルト、DeNAやソフトバンクも強い

 野球を科学的に分析するセイバーメトリクスには、各球種に対しての得点貢献を示す指標がある。ストレートに対するものは「wFA」という指標で、攻撃面においてはストレートに対する得点貢献を表す。この「wFA」から球団別に、ストレートに強かった球団とストレートに弱かった球団を検証してみた。

 2021年シーズンで最もストレートに対してプラスの得点貢献を生んだのはどの球団だろうか、セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータを基に見ていこう。トップはセ・リーグを制したヤクルト。ストレートに対して53.0のプラスを生み出し、両リーグ通じてもダントツの“強さ”を示した。2位もセ・リーグのDeNAで26.5、3位のソフトバンクはパ・リーグでトップだった。

 6.2のロッテ、1.1の巨人が続き、プラスの得点貢献だったのはここまでの5球団。マイナスは広島(-5.6)、オリックス(-12.7)、西武(-17.7)、楽天(-20.2)、阪神(-38.4)と並ぶ。パ・リーグのワーストは日本ハムで-56.9、12球団で最も低かったのは中日で-84.5だった。

 昨季のデータを見ると、この「wFA」は各球団の打撃成績とも結びつく。それぞれの球団のチーム打率と得点数を見ると、ヤクルトはチーム打率がリーグ3位、得点数は1位だった。2位のDeNAは打率、得点数とも2位。3位のソフトバンクも打率は1位タイ、得点数は2位だった。

 オリックスと広島は打率1位だったものの、得点数は3位。そして「wFA」が11位だった日本ハム、12位だった中日は打率、得点数ともにリーグ最低だった。他の球団も、多少の前後はあれども「wFA」と、特にチーム得点数は同じような順位になっていた。

 投手にとって“基本”とも言えるストレート。打者にとっては、これを打ち崩せるかどうかが鍵を握るもの。チームとして、ストレートに強いかどうかは、チームの得点数に大きく影響すると言える。得点力不足に悩まされている球団は、とにかくストレートへ強くなることが、課題解消への近道かもしれない。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。