2024年パリ五輪におけるスポーツクライミングの実施種目の1つ、2種目複合(ボルダリング・リード)によるW杯が2022年10月に中国・重慶で開催される。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)が22日に発表した。

 東京五輪はスピード、ボルダリング、リードを1人の選手が行い、各順位の値をかけ算してその数の小ささを競う「3種目複合」で行われたが、パリ五輪ではスピードが独立し、ボルダリング・リードの「2種目複合」と「スピード単種目」でそれぞれ金メダルが用意される。

 22年10月6~9日に予定されている同W杯は、11月のオンライン会議でIFSCが各国中央競技団体に示した競技規則に沿った形で行われるという。現時点での2種目複合フォーマットはボルダリング、リードそれぞれで最大100ポイントを獲得でき、その合計ポイントが最も大きい選手の優勝となる(最大200ポイント)。主なルールは以下の通り。

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▼ボルダリング
・最大獲得ポイントは100
・4つの課題があり、各課題の最大獲得ポイントは25
・各課題には2つのZONEホールドが含まれる
・最初のZONE獲得で3ポイント、2つ目のZONE獲得で合計6ポイント、完登で合計25ポイントとなる
・ポイント数で並んだ場合、完登に要したアテンプト数、またはゾーン獲得に要したアテンプト数に応じて減点される

▼リード
・最大獲得ポイントは100
・ラウンドごとのルートは1つ
・ポイントの対象となるのはTOPホールドから逆算して30手分(50手のルートだった場合、21手目からがポイントの対象)
・TOPホールドから起算して15手目までは各5ポイント、それより下の10手に対しては各2ポイント、さらに下の5手に対しては各1ポイントが割り当てられる
※仮に50手のルートを45手目で落下した場合は75ポイントの獲得となる
・TOPホールドから起算して30手より下で落下した場合は0ポイント

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 ボルダリングでは、通常のW杯ならびに東京五輪の3種目複合においてはZONEホールドが1つだったのに対し、2つに増える。1つの課題の中に要所を2つ用意することで、ポイント差が生じやすいようにする狙いか。リードでは中盤付近からポイントが付与され、高度が上がるにつれて一手あたりの獲得ポイントも増える格好だ。

 2種目複合の大会と言えば、JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)が今年6月に主催した第4回コンバインドジャパンカップが記憶に新しい。同大会では各種目で獲得したポイントを1位選手が100となるように変換されたり、リードでは高度に関わらず1手につき2.5ポイントを獲得できたりしたが、22年W杯での採用フォーマットは仕様が異なる。

 この新たなフォーマットは、IFSC副会長・小日向徹氏が議長を務めるワーキンググループが15カ月もの議論の末に作成したもので、同グループには小日向氏をはじめとしたIFSC役員の他、各国を代表するアスリートやコーチ、スタッフらが参加しているという。小日向氏によれば、中でもボルダリングの1完登につき25ポイントという価値はリードのルートのおよそ4分の1にあたる下部とは同じとみなせないという主に選手サイドからの主張が強かったといい(多くの場合ルートの下部は上部に比べて易しい)、過去のデータをもとに膨大なシュミレーションを行い、両種目のパフォーマンスのバランスをはかった結果、このような形で落ち着いたのだという。

 このフォーマットは22年8月にドイツ・ミュンヘンで開催される欧州選手権でも採用される予定で、2つの大会の結果を受けてポイントの配分は再検討される可能性がある。

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取材・文

編集部 /

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© Dimitris Tosidis / IFSC

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