12月21日、K2 R&D LEON RACINGがいち早く2022年の体制を発表し、動きはじめたスーパーGT GT300クラスのストーブリーグ。今オフは昨オフに比較しても動きが多そうで、10月ごろからさまざまな動きが聞こえはじ…

 12月21日、K2 R&D LEON RACINGがいち早く2022年の体制を発表し、動きはじめたスーパーGT GT300クラスのストーブリーグ。今オフは昨オフに比較しても動きが多そうで、10月ごろからさまざまな動きが聞こえはじめていた。GT500クラスの動きと呼応してか例年と比べても発表も早そうで、年初には続々とニュースが飛び込むかもしれない。具体名は出せないので、読者の皆さんには今回もモヤモヤさせてしまうかもしれないが、現段階での噂を可能な限りお届けしよう。

 2021年も激闘が繰り広げられたスーパーGT GT300クラス。2020年から21年にかけてのオフは、GT300規定車両が増えたことや、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国人ドライバーが来日できず、日本人の若手がチャンスをつかんだ年でもあった。2021年に初優勝を飾り、2022年に向け、LEON PYRAMID AMGのシートを掴んだ篠原拓朗などは、その良い例だろう。

 そして2022年に向けては、コロナ禍が影響する動きもみられている。また、GT300の噂を語る場合、スーパーGT特有の“参戦枠”の問題がついてまわるのもご承知おきを。既存チームの権利を守るためのものだが、近年はその権利が得られず、参入待ちのチームも多い。

 現段階の噂は、下記のとおりだ。なおあくまで噂なので、結果的に異なる場合もあるので悪しからず。

●名門チームが来季参戦せず。代わって新チームが登場

 これまでGT300では欠かすことができなかった、長いスーパーGT挑戦の歴史と実力を誇るチームが2021年はスーパーGTに登場しないことが確定的。ちなみにミッドシップ車の外国メーカーのGT3カーのチームで、インポーターのサポートを受けている。ただ、チーム全体がモータースポーツ活動を終える……というわけではなく、別のカテゴリー参戦を探っているよう。

 この“参戦枠”を使って、新たなチームがGT300に登場する。スーパーGTには初登場で、これまではスーパー耐久で活動していたが、ST-Xのチームではなく、ふたつのクラスに1台ずつで参戦していたチーム。新造のGT300規定のGR86で参入すると言われており、初年度から強力な体制が構築されそうだ。

 この枠をめぐっては、5チームほどの“待ち”がいる。そのうちの2チームほど(過去にGT300に参戦していたチームもいる)は非常に強力なパッケージで、いつでも参戦できる準備が整えられている。今後、経済状況などによって参戦が継続できないチームが出てきた場合、チームの顔ぶれはさらに変わる可能性も。

●車種バラエティは小変化も

 車両については、すでにオートスポーツwebでも既報のとおり、HOPPY team TSUCHIYAがトヨタGRスープラのGT300規定車両を製作中。また、BMW Team Studie × CSLがBMW M4 GT3を投入することも確定的だ。

 この他に、トヨタGR86のGT300規定車両が3台新造中と言われている。既存チームが2台、そして上述の新チームが1台を使用するという噂が濃厚だ。既存チームでは、30号車プリウスの参戦終了が発表されたaprが有力な1台。そして後述のチームがもう1台だ。

 その他には車両スイッチの噂等は入っていないが、HOPPY team TSUCHIYA、BMW Team Studie × CSL、3台のGR86で合計5台の新しいマシンが登場することになりそう(同一車種の新車投入はのぞく)。GR86は年明けには詳細が分かってきそうだ。

 ただ一方で、ポルシェ911 GT3 R、そしてもう1車種(これまでも1台のみの参戦だったミッドシップ車)がGR86へのスイッチにより、GT300からは姿を消しそう。その1車種はチームの意向により、動態で保管されることになりそうだ。現段階で、車種バラエティは2増2減といったところだろうか。

●海外チームの参戦も?

 まだ具体的なものはなかったが、聞こえてきたのは海外チームの参戦。2021年の時点で参戦チームは29台で、1台の余裕があり、もしインターナショナルチームとしての参戦であれば、参戦枠を問わず参戦が可能になる(2020年まで1台分をX Worksが使用していた)。

 エントリーを希望しているのはマレーシアのチームで、日本の有力レーシングチームがメンテナンスを担当する話が進められているようだが、GT500のストーブリーグも少し絡む話で、まだ未発表のメーカー2社のうちの1社のチームのひとつ。どうなるかはまだ分からないが、実現した場合は楽しみなパッケージとなりそうだ。

●ドライバーの移籍も活況か

 ドライバーについても比較的移籍があるのかもしれない。すでに明らかにされているところ、ほぼ確実だろうというキーポイントがいくつかある。

 注目どころは、星野一樹、平中克幸がチームを抜けたGAINER。2台4名中2名が抜けることになる。このシートは若手ドライバーたちにとっても“欲しい”シートだが、どうなるか。また、GT500に移ることになった阪口晴南、またその可能性が高そうな佐藤蓮など、空くシートもいくつかありそうだ。GAINERについては、ニッサンGT-RニスモGT3のテストで複数名の若手が乗ったようで、気になるところ。

 また、TGR-DCやHFDPなど、FIA-F4等で活躍した若手がGT300をきっかけにスーパーGTに参入するケースが今季もあるだろう。2021年にFIA-F4チャンピオンを獲得した野中誠太はその筆頭で、デビューが確実視されている。当然、そのメーカーの車種を使うチームになるのは間違いないだろう。

 そして、こちらもコロナ禍次第ではあるが、大物外国人ドライバーのGT300参戦の情報もある。世界のGT3レースで華々しい実績を残してきたドライバーだ。

 いずれにしろ、ドライバーマーケットは現在活況。あっと驚く移籍もありそうだ。