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今年度のドラフトのナンバーワンCBとも言われるマーション・ラティモアの大学でのフットボールキャリアは平坦なものではなかった。

高校時代のハムストリングへの負傷が酷く、回復には手術を要した。オハイオ州立大1年目はレッドシャーツとして治療にあて、アクティブロースター入りした2年目も完治はしておらず7試合出場に留まった。

しかし、ようやく治療が完了しスターティングCBとして起用された昨2016年は、30ソロタックル、11アシスト、1ロスタックルを記録。ラティモアの守備範囲がパスターゲットとされた35回中14回パスを阻止し、その内4回はインターゼプトに仕留める大活躍を演じ、オールBIG10の1軍メンバーに選出された。

ラティモアの強みは突出した身体能力がもたらすパスカバー能力だ。特にバックペダルからスピードを落とさずに前方向へのダッシュに切り替え、投げられたボールへと迫るスピードには目を見張るものがある。ボールが投げられてから一度オープンになったレシーバーに向けて再加速し、パスカバーにはいることができるスピードが最大の武器だ。

バランス感覚と足さばきのレベルも高いためどんなルートにも対応できる。反則すれすれの技術ではあるが、手を使ってレシーバーの加速を妨げることも得意としている。

CBに求められるもう一つの重要な要素であるタックリングも比較的得意としており、スクリーンパス、外側へのランといった対応力も高い。2016年シーズンは一度もミスタックルがなかった正確さを持っている。マン・カバーも得意で、多くの場合任された選手をしっかりとカバーしている。

弱点はやはり経験の少なさだろう。大学時代1年半を負傷の治療にあてており、圧倒的に試合の経験数が足りない。特に1流のレシーバー相手のカバー経験が浅いため、NFLでは今のスタイルだけでは苦戦しそうだ。ゾーンディフェンスのテクニックも強化しなければならない可能性が高い。

また、負傷をしやすい傾向にありNFLコンバインでの40ヤード走は4秒36と俊足を見せつけたものの、股関節屈筋に負傷を負ってしまったようだ。本人はすでに完治したといっているが負傷は多いというのは欠点であると言わざるをえない。

とはいえ、ラティモアが1年目からNFLでも先発起用が考えられるほどの身体的素養の持ち主であることは間違いない。能力を発揮できれば、デスモンド・トラファント(アトランタ・ファルコンズ)、ドミニク・ロジャース・クロマティ(ニューヨーク・ジャイアンツ)と同じように運動能力の高さを生かし、アグレッシブにパスに働きかけるようなCBになるだろう。特にスラントに対する守備が得意で彼がスラントをカバーしている場合のQBのパサーレーティングはわずか2.8という統計もある。経験不足の克服と負傷にさえ気をつければ早い段階でプロボウル出場を目指せる選手になりそうだ。