セルビアで今月行われた世界ボクシング選手権で日本人初の金メダルに輝いた坪井智也(25)=自衛隊、バンタム級=が25日、母校の静岡・浜松工を訪問。体育館で開かれた優勝報告会で、生徒約1100人にあいさつした。

 試合開始のゴングと、恩師の豊田浩一監督のアナウンスで、坪井はベルトを肩にかけて入場。高校時代、目標の日本一に届かなかった苦い経験を披露。日大時代に全日本選手権4連覇など好成績を残したものの、東京五輪代表を懸けた試合に敗れて引退を考えたことも明かした。

 だが諦めなかった。「自分には才能なんてない。走るのは遅いし、サッカーも下手。でも諦めずにやり続けました。必死で頑張り続けたことが結果につながった。夢や目標に向かって諦めず努力を続けて」と後輩たちに語りかけた。

 帰国後の2週間の隔離期間が明けての故郷凱旋(がいせん)。「まだ実感がない」という。世界一の実力があると思っていないし、もっと強くなれるという感覚もある。次の目標は来年9月のアジア大会優勝。そして3年後には「パリ五輪の金メダリストとして浜工に帰ってきます」と力強く話した。(里見 祐司)

 〇・・・坪井が静岡・富士市の駿河男児ジムの木村蓮太朗(24)にエールを送った。日大4年秋の17年愛媛国体で、2人は県勢初の2階級制覇を飾った仲。木村は東洋大卒業後にプロに転向して、デビューから無傷の5連勝中だ。「強い選手です。今回、自分がアマで世界一になったので、次は木村選手が静岡初のプロの世界王者になって」と期待していた。

 ◆坪井 智也(つぼい・ともや)1996年3月25日、浜松市生まれ。25歳。小1で空手、小6でボクシングを始め、浜松工時代は全国高校総体3位が2回。国体2位。日大時代に全日本選手権4連覇。国体優勝2回。161センチ。