◆プロボクシング ▽WBO&IBF世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座統一戦12回戦 WBO王者・井岡一翔―IBF王者ジェルウィン・アンカハス(12月31日、東京・大田区総合体育館)

 世界4階級制覇でWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔が12月31日に東京・大田区総合体育館でIBF王者ジェルウィン・アンカハスと王座統一戦を行うことが25日、発表された。日本人最多を更新する21度目の世界戦に勝てば、ミニマム級時代以来、自身2度目の2団体統一となる。大みそか決戦は2011年以降、これで10度目。都内で記者会見した井岡は、世界王座9度防衛中の難敵を相手に迎え「人生で一番強い相手。絶対に勝つ」と闘志を燃やした。

 「統一戦が夢だった」と語るアンカハスの映像を、井岡は刺すような視線で見つめ続けた。日本男子初の世界4階級王者にとって、9月の3度目の防衛戦以来の大一番。ビッグマッチへ「統一戦が決まって、率直にうれしかった。実現してビックリする気持ちとともに『来たな』という気持ち」と闘志をあらわにした。

 今年4月に、昨年大みそかの防衛戦でのドーピング検査で日本ボクシングコミッションの不手際が発覚。違法薬物使用疑惑で警察から事情聴取を受けるなどの屈辱も味わった。苦しんだ2021年を快挙で締める。

 日本人選手最多を更新する21度目の世界戦の舞台は、10度目となる恒例の大みそか決戦。12年6月の八重樫東(大橋)戦以来となる自身2度目の王座統一戦で勝利ならミニマム級に続く2団体統一だ。スーパーフライ級統一王者誕生なら日本初で、複数階級での統一も初となる。「考えれば考えるほど、すごいこと。こういう機会をもらえる選手は数少ないので感謝したい」

 アンカハスは12年3月以降負けがない、9度防衛中の強敵だ。KO率61%を誇る強打者で「メチャクチャ強い。人生の中で一番強い相手。本当に勝ちたい。結果を残すために仕上げて壁を崩す」と熱っぽく語った。

 勝てばWBA、WBC統一王者エストラーダ(メキシコ)との4団体統一戦に「現実味が増すと思う。オファーしたい」という。先週からスパーリングを再開し、12月から本格的に実施する。今回は有観客試合。井岡は「ファンに力をもらいながら、必ず勝って統一したい」と言葉に力を込めた。(谷口 隆俊)

◆アンカハス警戒「井岡のパンチ力は危険」

 〇…IBF王者アンカハスはこの日、ビデオメッセージで登場。「統一戦は私の夢だったので、とても楽しみだ」とコメントした。「井岡はこの階級の王者の中でベストな選手だと思う。彼と戦うことを切望していたし、実現できてうれしく思う」。強烈な左と高度な技術力を誇り“パッキャオ2世”の異名を持つが「試合に向けてさらなる努力をしていくつもり。井岡のパンチ力は非常に危険。注意しなければならない」と警戒していた。

 ◆ジェルウィン・アンカハス 1992年1月1日、フィリピン・パナボ市生まれ。29歳。2009年7月にデビュー。11年4月にWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級ユース王座を獲得。12年3月に唯一の敗戦を喫したものの、16年9月にマックジョー・アローヨ(プエルトリコ)を破り、IBF世界同級王座を獲得。以後、9度防衛。ニックネームは「プリティーボーイ」。身長168センチの左ボクサーファイター。

 ◆日本人の統一世界王者 2012年6月、WBC世界ミニマム級王者の井岡がWBA王者・八重樫東(大橋)を判定で下し、日本人で初めて複数団体のタイトルを同時に手にした。14年12月には高山勝成(当時仲里)がIBF、WBO世界ミニマム級、17年12月に田口良一(ワタナベ)がWBA、IBF世界ライトフライ級王座を統一した。WBA世界バンタム級正規王者としてワールド・ボクシング・スーパー・シリーズに出場した井上尚弥(大橋)が準決勝でIBF王座を獲得。19年11月の決勝で、WBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)とのWBA&2団体統一戦に判定勝ちし統一王者となった。