ラグビー日本代表の強化を担当する藤井雄一郎ディレクターが24日、オンラインで総括会見を行った。会見の中で、今遠征の振り返りよりも若手を育てる環境がないことへの危機感を強く訴えた。

 「次の世代にいい経験をさせてやれていない。頑張って次につないでいかないと。弱くなりだしたらどんどん弱くなる」

 自国開催を追い風に初8強入りした2019年W杯から2年経ち、23年W杯フランス大会までは残り2年。中心選手の顔ぶれに変化がないこと、その選手を突き上げるような若手が少なく、「選手層は全体的に薄い。特にロック」と話す。

 加えて国際レベルの試合経験を積む場がないことが危機感をさらに強くする。20年シーズンまで南半球最高峰スーパーラグビーに日本チームのサンウルブズが参加し、なかなか結果が出ない中でも多くの選手が国際経験を積み、NO8姫野和樹(トヨタ)、プロップ具智元(神戸)らが力を付けて19年W杯で主力を担った。

 「サンウルブズがあれば多少負けてもいろんな選手を試したり、ハイプレッシャーの中でこういうプレーをする、こういう考え方をするとかが分かってくる。今は代表しかない。テストマッチではチャンレジはできない。稲垣(啓太、埼玉)やリーチ(マイケル、BL東京)がいる間に、1、2人(若手を)出してレベルを上げる、という方法しかとれない」

 コロナ禍でジュニア世代の海外遠征も難しく、資金面も含めて様々なハードルがある。希望として「アジアと若手」を提案。若手やリーグワンで出場機会が少ない選手を集めて、ポルトガル戦で初キャップを獲得したセンター中野将伍(東京SG)、出場機会がなかった福井翔大(埼玉)らが「アジアの中でどういう選手がどう戦うのか、自分の(所属)チームじゃないチームでどう戦えるか」を見たい腹案を披露した。W杯で結果を出すことはもちろん、その先を見据えた選手を育てる環境作りが求められている。