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ダラス・カウボーイズQBトニー・ロモが4月4日に引退を表明し、CBSのアナリストになることを発表した。ロモは2016年シーズンのプレシーズンマッチで負傷して以来、シーズンを開幕から欠場。先発QBの座を新人のダック・プレスコットに譲った。チームは若いプレスコットを先発に据えたまま14勝2敗の好成績を残し、2017年シーズン以降もプレスコットを先発QBとして起用することを発表。放出が濃厚となったロモの動向に注目が集まっていた。ロモ自身も最も移籍の可能性があったと発言しているテキサンズをはじめとしていくつかのチームが獲得に乗り出していたが、14年間のNFL生活に幕を引く決意をした。

負傷に勝てなかった

ロモが残したキャリア成績は、パス獲得通算34,813ヤード、TDパス248回、プロボウルへの選出4回、パサーレーティング97.1。これは同じNFCのスターQBであるアーロン・ロジャース(パッカーズ)やドリュー・ブリーズ(セインツ)と比べても引けを取らない、一流選手と呼ぶにふさわしい成績だ。

引退の引き金となったのは負傷だ。2015年、16年シーズンは合わせてわずか5試合にしか出場できず、2013年の椎間板ヘルニア以降、毎年負傷での離脱を繰り返していた36歳の体には限界が訪れてしまったようだ。

カウボーイズはロモを控え/引退リストにいれなかったため、彼に関する権利を放棄することにした。ジェリー・ジョーンズ・オーナーは「私たちはトニーとその家族にとっての最善しか願っていない。組織として私たちは彼の解雇に対して彼の望んだ通りに、彼と彼の家族にとって最も重要であることをした」と、ロモの意向を尊重した対応だったことを明かした。

続けてジョーンズ・オーナーは、ロモの功績を称え、アナリストとしての将来にエールを贈った。

「トニーは14年間素晴らしいカウボーイズの顔だった。そして彼はたくさんの素晴らしい思い出とカウボーイズ史上最も偉大な選手としてのレガシーを残してくれた。私たちは彼と、彼の家族のために彼が本当に愛しているスポーツにこれからも関わり続けることができることを非常に嬉しく思っている」

ジェイソン・ギャレットHCは攻撃コーディネーター時代からロモと共に戦った10年間を振り返った。

「彼はキャリアを通して選手として、人として大きく成長し、たくさんの人の人生に大きな影響を与えた。私はそういった人たちの中でも一番影響を受けて人間でいられることを嬉しく思う。カウボーイズ史上最も偉大な選手の一人であるトニー・ロモと仕事ができたのは私の人生の中でも最も大きな特権だった」

実は勝負強かったロモ

「これからの挑戦がとても楽しみだ。アナリストとしての仕事は私にとって大きな挑戦だ。CBSが彼らの判断は正解だったと思わせたいね」

ロモ自身はアナリストとしてのこれからに前向きなコメントを残した。一方で「もし、本当に私がまたフットボールをプレーしたいと思っていないと考えるひとがいるなら、その人は競い、勝つことの快感を知らないんだろうね。それは私の中から消えていない、むしろ今が一番燃え盛っているぐらいだ。ベンチで見ているだけというのは簡単なことじゃないし、私と同じ立場にいた人ならわると思うよ」と、現役への未練を残していることも明かした。

トニー・ロモといえば、プレーオフでは2勝4敗、NFLファンの間ではあまりにも有名なフィールドゴール時のスナップのホールドミスなど、勝負所で弱い印象があるが、実際は少し違う。

2007年から2016年にかけて第4Qとオーバータイムでのロモのパサーレーティングは103・5であり、この数字はマニングとブレイディすら上回るトップの成績だ。2006年から2014年の間の第4Qでの逆転が23回、試合を決めるドライブが27回といずれもこの期間のNFL最多である。

彼が先発を務めた2007年シーズンから2014年シーズンの間の8年間、アメリカズチームの命運をその肩にのせ幾度も勝利に導いた偉大な選手だった。

■近年のロモの負傷歴

シーズン

負傷箇所

詳細

2016

背中

プレシーズン3試合目で背骨に損傷 9試合欠場

2015

上腕部

サックを受けた際に左の鎖骨を骨折、12試合欠場

2014

背中

第8週のマンデーナイトフットボールで背中横側の治療中の部分を骨折、1試合欠場

2013

背中

16週に椎間板ヘルニアになり、最終週を欠場

2010

左の鎖骨を骨折し、10試合を欠場

2008

小指を骨折し、3試合欠場