【神奈川】プロバスケットボールB1の川崎ブレイブサンダースは、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に関連した新シーズンの取り組みを発表した。チームは前季からSDGsプロジェクトを推進しているが、協力企業との連携が広がるなど、経営面への効果も出始めている。

 運営するDeNA川崎ブレイブサンダースの元沢伸夫社長らは11日に会見し「スポーツとSDGsは相性がよく、促進に改めて有効だと思った」と述べた。2季目となる新シーズンも取り組みを強化する。

 川崎市内の子どもたちのバスケットボール活動を応援する「&ONE(アンドワン)アシスト」では、選手が公式戦であげた「アシスト」1回につき千円をチームが積み立てる。シーズン後、選手や市と相談し、小学校にボールやゴールを贈るという。

 「アシスト」は、得点につながるパスをした選手に与えられ、前季はB1リーグトップの計1381アシストをあげた。今季も同じアシスト数なら、138万1千円になる。前身の東芝時代から、つないで点を取るスタイルがチームの伝統だ。キャプテンの篠山竜青選手は「強みとしているプレーで、子どもたちの未来もアシストしたい」と意気込んでいる。

 また、主催試合の来場者1人につき1円を、かわさきこども食堂ネットワークを通じて川崎市内のこども食堂に寄付する。ファンが自然にSDGsに関わってもらうための取り組みだという。

 選手たちが食事をとるクラブハウスの電力は8月から、相模原市の牧野太陽光発電所で発電した電力を中心に、100%再生可能エネルギーに切り替えた。さらにこの発電所の命名権を運営会社のイスズ(川崎市)から取得し「川崎ブレイブサンダース太陽光発電所」と名付けた。みんな電力(東京都世田谷区)の協力を受け、ファンへの電力販売も検討しているという。主催試合の運営で使う電力も、削減分を購入する「カーボンオフセット」の仕組みを利用して二酸化炭素(CO2)の排出を相殺する。

 試合会場では、販売するフードやドリンク容器の脱プラスチックを進める。また、賞味期限の迫った食品を回収する「フードドライブ」や、最寄り駅からアリーナまでを歩いてもらうための「スタンプラリー」も全試合で実施する。

 取り組みの強化に向け、シーズンオフには選手たちがSDGs研究の第一人者として知られる慶応大大学院の蟹江憲史教授のワークショップを受講したり、連携企業の現場見学に出向いたりした。さらに選手の発案で新たな取り組みを打ち出そうと、練習の合間に話し合っている。

 SDGsの取り組みは、チームの経営にどのような影響を与えているのか。

 元沢社長は、多くの企業との連携が進んでいることを評価する。「結果的にはスポンサー企業167社の1割以上が、SDGsがらみの取り組みがきっかけになった。経営的にもたいへんありがたい」。また定量的には分からないものの「感覚的にはファン層が広がったかなと思っている」と話した。

 シーズンに合わせた同社の売上高(2020年7月~21年6月)は10億9300万円と、コロナ禍で観客数を制限される中でも前年同期比19%増となった。スポンサー収入は2億円から4億2千万円に伸び、業績を下支えした。(大平要)

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川崎ブレイブサンダースの活動とSDGsの目標

●1アシスト千円を子どもたちのバスケ振興に

(目標11 住み続けられるまちづくりを)

●来場者1人につき1円をこども食堂に寄付

(目標1 貧困をなくそう)

●太陽光発電所にチーム名をつけて電力販売に貢献

(目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに)

●試合会場のフード容器を環境負荷の低いものに

(目標13 気候変動に具体的な対策を)

●試合会場で賞味期限の迫った食品を回収、寄付

(目標12 つくる責任 つかう責任)

●オリジナル商品の箱に障害者の描くイラスト

(目標8 働きがいも経済成長も)

●最寄り駅から会場までスタンプラリーを実施

(目標3 すべての人に健康と福祉を)