◆大相撲秋場所3日目(14日、東京・両国国技館)

 カド番の大関・貴景勝が初日から3連敗を喫した。小結・逸ノ城を四つの体勢から土俵際に追い詰めたが、逆転の上手投げに屈した。先場所は敗れた逸ノ城との一番で首を負傷し、3日目から途中休場。4度目のカド番で迎えた今場所は苦しい土俵が続き、2度目の大関陥落ピンチの状況だ。新横綱・照ノ富士は西前頭筆頭・隆の勝を寄り切りで下し、無傷3連勝。大関・正代は2勝目を挙げた。

 土俵下に転がり落ちた貴景勝は首をひねった。背中に土をつけ2度、3度と唇をかんだ。逸ノ城に上手投げで敗れ、初日から3連敗。「一生懸命やって負けたら弱いだけなので。もちろん勝てるように日々やってきてますけど、なかなかそう簡単にいかない」。自身4度目のカド番で迎えた今場所、序盤で黒星が並んだ。

 7月の名古屋場所2日目の逸ノ城戦で首を負傷し、途中休場した。今場所前は「けがはもう関係ない」と強調していたが、持ち前の突き押しは影を潜める。逸ノ城の差し手を警戒してもろ手で立ったが、二の矢が出ない。押し込まれた土俵際、こらえて右をのぞかせ反撃したものの、逆転の投げに屈した。相手に圧力が伝わらない感触を問われると「負けているということは、そうですね」。初日から欠かさないリモート取材で淡々と語った。

 2日目まで、立ち合い当たって引く相撲が続いた。師匠・常盤山親方(元小結・隆三杉)は「馬力がない。当たって立ち腰になって攻められている」と分析する。名古屋場所休場後は、治療を経て稽古を再開。下半身中心の基礎運動で体をつくり、今月1日から隆の勝と相撲を取る稽古を再開したという。「稽古場では一日一日、立ち合いも当たれるようになっていた」と師匠。一方、休場による相撲勘の鈍りに言及し「タイミングや角度。一番、いい相撲が取れれば」と現状打破に期待した。

 首のけがは、幕下時代からの付き合い。その影響や言い訳は一切口にしない大関だが、八角理事長(元横綱・北勝海)は「苦しいのは苦しいですよ」と心中を察する。4日目は、若手ホープの豊昇龍を迎える。「明日に向けて、準備するだけだと思っています」。まずは次の一番へ最善を尽くす。(大谷 翔太)

 ◆貴景勝の最近の成績

 ▼20年11月場所 13勝2敗。自身2度目の優勝。

 ▼21年初場所 2勝8敗5休。自身初の綱取りに挑むも、初日から4連敗。左足首負傷で途中休場。

 ▼春場所 10勝5敗。自身3度目のカド番は、12日目に脱出。

 ▼夏場所 12勝3敗。照ノ富士との千秋楽優勝決定戦に敗れてV逸。

 ▼名古屋場所 1勝2敗12休。成績次第では綱取りの可能性もあったが、首の負傷で途中休場。