日系カナダ人の少年野球チーム「バンクーバー新朝日軍」が2年ぶりに来日した。太平洋戦争が始まった1941年までの27年間、現地で活躍し、日系移民を勇気づけた「バンクーバー朝日軍」の流れをくむチームだ。13日には、立命館宇治中学・高校(宇治市)の生徒らと交流を深めた。

 旧朝日軍は1914年、バンクーバーに住む日系移民2世の若者を中心に結成。過酷な労働や差別にあえぐ現地の日本人社会にとって、白人に負けないチーム力は大きな誇りだったという。2003年にカナダの野球殿堂入りを果たし、14年に映画化されたのを機に再結成された。

 今回の訪問は、立命館宇治中学・高校の野球部出身で、現在は同中学野球部コーチを務める米田大祐(だいすけ)さん(22)=立命館大4年=が、バンクーバーに留学していた昨年4月までの約1年間、新朝日軍のコーチを務めた縁で同校訪問が実現した。米田さんは「帰国する時、(新朝日軍の)猪亦功憲(いのまたあつのり)監督に『次の日本遠征はうちにも来て』と頼んでいた。両国の生徒たちには、交流を通じてお互いを知り、何かのきっかけにしてほしい」と喜ぶ。

 来日している選手は12~16歳の15人。約120人いる選手の中から選ばれた精鋭たちだ。猪亦監督(45)は「礼を重んじるチーム。みんな楽しく野球をしている」。歓迎会では、監督の長男で主将の慶希(よしき)さん(15)が選手たちを1人ずつ紹介。名前を呼ばれた選手は立ち上がり、笑顔で手を振って応じた。

 午後からは宇治市の太陽が丘球場で同中学野球部と合同練習。キャッチボールやノックで汗を流した。14日は親善試合を行う。

 猪亦主将は「歓迎してくれて、とてもうれしい。明日は新朝日軍の野球をやりたい」。遊撃手の山本陽郎(ひろ)さん(15)は「練習が楽しい。試合はできることをやって勝ちたい」と話した。立命館宇治中学野球部2年の右翼手、丸橋潤さん(14)は「(新朝日軍は)元気があって、声も大きい。試合は絶対に勝ちたい」と意気込んでいた。

 新朝日軍は26日まで日本に滞在。愛知、神奈川などでも試合を予定している。(伊藤誠)