(22日、高校野球青森大会準々決勝 弘前学院聖愛7-6八戸学院光星)

 勝負に「絶対」はない。優勝候補の八戸学院光星が敗れた。二回で5点をリードし、主導権を握ったかに見えた。投打で引っ張ってきた横山永遠(とわ)(3年)は「油断して攻撃が雑になった」と悔やんだ。

 三回、ほころびが出た。中飛、空振り三振、二飛で三者凡退。チームの持ち味の鋭いスイングではなく、力んで強振してしまう打者が続いた。四回は3人とも飛球を打ち上げてアウト。歯車が狂い始めた。

 横山は五回こそ中前安打を放ち、的確な打撃を忘れなかったが、1点を追う九回は珍しく変化球に泳がされ、空振り三振に倒れた。

 本来はエース級の投手。打撃の勝負強さを買われて3番・左翼手を任されている。そのキーマンが力なく言った。「つないでいくはずが、気持ちが前のめりになって、ボール球に手を出していた。自分たちの打撃ができなかった」

 今年のチームは、一昨年の夏の甲子園で8強入りした先輩たちと比較され、「投手力は上だが、打力が劣る」と言われてきた。全員で大振りしないとの方針を徹底し、その評価をはね返そうと奮闘してきた。

 横山は重さ170キロをかつぐスクワットで足腰を強化し、細かいステップをくり返すトレーニングで俊敏さも磨いてきた。すべては夢の甲子園のため。「つらい練習も乗り越えてきた。力不足で本当に悔しい」。目を真っ赤に腫らした。

 東北では実力校の敗退が相次いでいる。宮城で仙台育英が4回戦で姿を消し、福島では聖光学院が準々決勝敗退。青森大会も「波乱の夏」となった。(渡部耕平)